2017年5月の通信から

萌黄色の若葉の季節になりました。お元気ですか。連休はいかがお過ごしでしたか。震災から6年、私の町では震災で決壊したダム湖の修理が終わり水を蓄えられたダム湖から6年ぶりに放水され、満々と水をたたえた田んぼに田植えをする人の姿が多く見られました。
長男の不登校が1991年の5月連休明けですから、かれこれ26年、こんなに長く不登校を考えつづけることになろうとは、思いもしませんでした。今年も5月の連休は、26年前の連休明けに、学校へ足が向かなくなった小学校6年生当時の長男の姿を思い出しながら過ごしました。子どもの苦しい気持ちをわかろうとしないまま、学校へ戻すことしか考えなかった私は、今、振り返ると、子どもの苦しさが見えなかっただけでなく、学ぶということをなんと狭い枠の中で考えていたのだろうと思います。
今年2月に64歳になりましたが、この春も保育士として新しい年度をスタートしました。まだ言葉のない0歳児の、体全体で発している気持や、指差しで伝えようとしている思いに向き合っていると、言葉はなくても伝わってくるものを感じ、コミュニケーションの原点を学び直す毎日です。子どもたちにはやがて自我が芽生え、互いの自己主張のぶつかり合いの中で他者の存在に気付き、葛藤を味わいながら自分で考え成長していきます。その姿はいとおしくもあり、頼もしくもあります。
この子ども達が育つ未来は、経済の成長はそこそこでも、平和で自由な社会であることを願わずにはいられません。保育士としては子ども達に自尊感情を育む保育をめざし、かつて不登校を体験した子どもの親としては、生きること、学ぶことの意味を考え続けていきたいと思っています。

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